International Maitre・Server Association

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メートル・ドテルの世界大会とは

カテゴリ : Maitre d'Hotel 〈メートル・ドテル〉



メートル・ドテル世界1を目指して!


サービスのコンクールって器やグラスを何個もてるかとか競うの?
メートル・ドテルって何?サービスなんて誰でもできるでしょ!
立ち仕事は大変だね!
《心の声では……いいえ、エクササイズでき健康的で寿命も伸びる仕事はそうありません^ ^》

………と!こんな風に面白いことを言う方に少しだけ理解してもらいたいと思い、
ちょこっとメートル・ドテルの仕事をコンクールの話を通してご紹介させていただきます。

著書より抜粋 by メートル高森



 
1.  コンクールで得た財産

伝説の人達との出逢い
 
自己研鑽のために挑戦を始めたコンクール出場も4回目となります。日本の最高峰のコンクール「メートル・ド・セルヴィス杯」、なんと2002年大会の優勝者は世界大会に日本代表として出場できることになりました。
 
世界への登竜門……パンフレットに書いてあるキャッチコピーを見て、ラーメン屋からのスタートしたお兄ちゃんが随分と大きな門を叩くようになった!と、自分で自分を笑ってしまいました。
 
しかし、過去の大会で全てファイナリストに残っていることもあり周りからのプレッシャーは相当なものになりました。
これは普段の仕事でもそうです。出来て当たり前、これがトップクラスの仕事という視線が私には重荷過ぎると感じはじめた頃でした。
資格検定や試験でもなんでも同じですが、挑戦するということは負けるリスクを背負います。
大抵の人間はここで怖がって挑戦を諦めてしまいます。私もエントリーして予選落ちなどのリスクが無いわけではないので、年下に負けたらどうしようなどどんどん追い込まれていきます。
 
コンクールレベルなんて対したことないという人がいますが、私はそうは思いません。その理由は、資格でも同じですが、獲得もしていない人が発する言葉はただただやっかみにしか聞こえずカッコ悪いと思ったことが何度もあったからです。
それに日本のトップクラスと言われるサーバーやソムリエは結局のところコンクールでも結果を出しています。無名で業界を変えられるような実力者はいない現実もあります。
 
諸々の葛藤がある中で4度目のコンクール挑戦となりました。この年30歳。
意識をして課題をこなしているようでは勝てないと思い、無意識有能で美しい所作や立ち振る舞いを身につけるために普段から意識し続けました。
実践心理も勉強しました。知識に蓄えも怠らずしました。自宅の本棚は壁両面全てが業界本で埋め尽くされるようになっていました。
子供の頃あんなに勉強が嫌いだった私が誰にも強要されずこんなにたくさんの本を読んでいるとは驚きです。
 
ただしコンクールで先輩が課題にすることは、レストランの現場においても活かせるものばかりで、結果現場での仕事もどんどん評価されるようになりました。
 
国内コンクールの課題は年を追うごとにさらに難しくなってきていました。
プレッシャーのかかる予選を勝ち上がり決勝の課題は過去と同じ実際のゲストへのテーブルサービスです。
テーブルコーディネート、卓上花の作成、アペリティフの作成とサービス、イギリス式でのオードブルサービス、お魚料理でのクロシュサービス、赤ワインのデキャンタージュ、ゲリドン式でのお肉料理のデクパージュ、ゲリドン式でのデザートの作成・フランバージュを含む、カフェのサービスと相変わらず歴史的なサービス全てを演じられなければならない難しいものです。
また、イレギュラー対応は何が試されるか判りません。実際にレストランで起こりうるあらゆることを想定して対応書をつくり整理しておきました。
 
ライバルは親しい先輩です。英語、フランス語がネイティブレベルでフランスでのレストラン経験も長く対応力もずば抜けていました。
ソムリエ経験もありその安定感は驚異でした。
 
しかし前大会で勝った実績もあると自分を信じて集中力を高めていきます。苦手意識はありません。自身がないチーズに関する課題や外国語も訓練してきたし堂々とゲストの目を見ることができます。実際決勝戦の舞台でサービスが始まりますが、ゲストの前でもう手が震えることはありませんでした。ゲストのことだけを考えサービスしいつも通り自身も楽しむことができました。自分自身に勝ったと思いました。
 
サービスコンクールの結果です。
祈願であったで優勝、金メダルを獲得しました。
数百人が埋め尽くす舞台の壇上で、思いっきり泣きました!
嬉し泣きが1日中続きました。この時、ここまで自身がプライドをかけて本気で取り組んでいたのだと苦労の日々を振り返りました。
 
何より応援してくれた周囲の人の期待に応えられたことがとても嬉しかったです。
 
と、喜んでいるのもつかのま。そうです!今回の優勝者は日本代表として国際大会に出場しなければなりません。今後の日本の飲食業界の評価も自身にかかっている重圧は国内大会のものとは異なる重さでした。
 
開催場所はパリ・サンプラシッド。こんなチャンスは二度とありません。人生の全てを賭ける意気込みでパリに移住しました。
パリで実際にヨーロッパの現場感覚を身につけ大会に挑もうと思いました。
 
この時研修先に選んだのは、当時三ツ星で最もサービスの評価の良かった「グラン・ヴェフール」や「ローラン」です。メートル・ドテルの研修が数ヶ月だけでもできたことは、私にとってとても大きな財産となります。
 
また、テイスティングについては、国際的テイスターのピーター・ツーストラップ氏、その他にもその年のコンクールの冠でもあった審査員のジャン・クロード・ヴリナ氏やパトリス・ジェーン氏、そしてフランスにおけるサービスの歴代チャンピオンなどのレストランでたくさんの学びを頂きました。
 
そんな世界の一流のサービス人から得た私なりの気づきを、どの業界でも活かせる基本的なことについてお伝えさせていただきます。
 



 
2.フランスで学んだこと
 
それでは、ここから具体的なおもてなしを感じてもらう基本スキルについてご紹介させていただきます。

↑ ※基本スキルなどはテキストや研修のみお伝えしているので割愛させていただいております。
 
 
表情の力
―ジャン・クロード・ヴリナ氏(フランス・パリにて三ツ星最長の歴史を持つオーナーサービス。長い間世界のサービスを牽引。1973年から三ツ星を維持しながら2008年に死去)
 
表情が豊かな人は他人を幸せにする力があるというのは経験上知っていましたし、私自身は笑顔は出来ているし問題は無いと過信していました。
 
仕事上、何も疑問を持っていなかった私に、表情はこうして使うものだと現実をつきつけてくれたのはジャン・クロード・ヴリナ氏です。
なぜか包み込まれるような優しい目、状況に合わせて変わる表情の多様さには、それだけでパリへ来た価値があったと感じるほど衝撃でした。
 
レストランの扉は重厚な木とガラスで出来ていました。
その扉の前に立つと、すでにその向こうにニッコリと目尻を下げたヴリナ氏がこちらに気づき扉を開けてくれます。
 
私は大先輩であるヴリナさんがとても身近に感じられました。
今まで日本のホテルや高級レストランに行くと、若造が来たと上から目線や熟練の殺気を感じることが多かったのですが、そんなことを全く感じさせない笑顔に一瞬で安心させられたことを覚えています。
 
ヴリナ氏のすばらしい笑顔は一般の方の笑顔と何が違うのかをよく考えてみました。
そして幾つかのヒントを見つけることができました。……こうしたヒントはWEBでは控えさせてください。
 
 
コミュニケーション力
ムッシュ・ジェーン(CGP2003国際コンクール審査員、元フォーシーズンズ・ホテル・ジョルジュサンク「ル・サンク」ディレクター/2000年に入り史上初の3年で三ツ星を獲得した当時世界最高のレストランの1つ)
 
パリでコンクールに参加するために勉強させてもらっていたレストランの1つにフォーシーズンズ・ホテル・ジョルジュサンクの「ル・サンク」というレストランがありますが、このディレクターがジェーン氏でした。
ムッシュ・ジェーンはとても若々しくエレガントでカッコイイのですが、気取っているようにも見えない凄く非言語コミュニケーションの高い方でした。
 
サービスは相手に話をしてもらうことが大切で、自分がベラベラと喋るものではないと教わっていたものの、それがどういうことなのか良く判りませんでした。
しかし、ジェーン氏の接客を見て心から納得できる正解を見ることができました。
 
口だけでなく歓迎の気持ちが伝わってきました。
雰囲気作りであるテーブル・コーディネイト(その時は紫色の胡蝶蘭をランナークロスとして敷き詰めていました)に始まり、必要な時に必要なものが最高のタイミングで提供されます。
気づきの速さ、綺麗な所作、視線を常にあげる姿勢のとり方、いつでも話し掛けられるような優しい微笑みを絶やさない表情、声がけのタイミング、……プロ中のプロは誰から見ても違いがわかるのだとも思いました。
 
しかも、料理説明などの表現の仕方や話し方も引き込まれるような語り口でした。
場所ではなく、このサービス人がいる、この雰囲気の中でまた食事がしたいと思えた初めての感覚でした。
 



3.顧客満足

―クリスチャン・ダビット氏(「グラン・ヴェフール」のディレクター)
 
パリに暮らし最後の職場となったのが「グラン・ヴェフール」。
パレ・ロワイヤルの美しい中庭には格式のある天井画が特徴の三ツ星レストランがありました。
サービスの評価も高く、凄く楽しみで現場に入ったことを覚えています。
個性派揃いのスタッフはまさに役者そのものでした。
 
ゲストの予約帳はロッカーキーをかけてるほどの意識。
セッティング準備で切れ味の悪そうなナイフを見つけると、サービス人がゲスト用の銀器を研ぎはじめます。
テーブルの配置、コンソールの準備の仕方、どれも完璧でした。
 
メートル・ドテルのマーク氏はゲストにウインクを平気でするようなダンディなタイプ、ソムリエのタミジエ氏は愛嬌がありピエロのように立ち振舞います。
それを支えるキビキビと動くメンバー。
そして、全体を見てほんのちょっとでもゲストの空気が乱れると、ディレクターのダビット氏がどんな役にでもなりきり落ち着いた空気(雰囲気)をつくりあげます。
若いスタッフの中にはスペインから来たというスタッフもいました。
ヨーロッパでは他国で経験を積まないと上に上がれないと言っていたことも、この業界を目指す層の厚さを感じました。
 
ただし、教わるだけでなく我々日本人の感覚に自信を持つことも多くありました。
プロフェッショナルのチームの中においても、私がゲストの気持ちを先読みし一歩早く行動することに驚いたらしく、一人のスタッフが、「あなたはテレパシーが使えるの?」と聞いてきました。
「いやいや、普通だ」と答えました。
日本には以心伝心という言葉あるように、言わなくても0.2秒で相手の心が読めるおもてなし術を国民みんなが持っています。
これは、彼らからすると普通でないと気づきます。
 
そして、もう1つ彼らより優れていることは相手に恥をかかせないことへの心配りです。
あ、まだありますね。世界にない手先の器用さからなる所作へのこだわり。
と、まだまだ……これらをベースに持ちながらプロトコールのマナー、そしてそれに準じたサービスを習得すれば、世界でも敵なしの「おもてなし術」の完成かと思います。
 
こうして「グラン・ヴェフール」という世界が注目するレストランで、チームについていけると感じながら働けたことが自信に繋がり、私の持っていたフレンチコンプレックスは消滅しました。
 
 


4.ザ・クラシック

他にもパリでお世話になった「ローラン」(当時2ツ星)は、これまでもこれからも経験することがないぐらいにクラシカルなブリガードと年代ものの機材を持ち、そのサービスを実践しているレストランでした。
簡素化していないヨーロッパ式のブリガードと優先順位は、このレストランを経験したことで中世に戻っても働ける自信があります。
 
このレストランのディレクターのブリギニオン氏はスペシャリテのサラダ・オマールやクレープシュゼット、アニョーのテーブルサイドサービスも実際のゲストの前で経験させてくれる程ほど私を信頼してくれました。
離れた東洋人を受け入れてくれた背景には、今までキッチンできっちり働いてくれた先輩料理人がいたからこそ……日本人に対する信頼を築いていただいたことに感謝です。
私も会ったことがない後輩の役に立てるようにいつでも真面目に取り組もうと思いました。
 
素晴らしい伝統を持つレストランでの体験、クラシックのサービスの基礎があると変幻自在にサービスを創造できることを学びました。
 
 

 
5.絆

―アラン・ビラカンパ氏(クープ・ジョルジュ・パティスト前会長、CGB国際大会の創始者)
たくさんのことを教えてくれたパリ。
若い時に短期で語学留学していた頃は、パリジェンヌばかり見ていましたが、こうしてレストランで働くことにより歴史やヨーロッパの奥深さとサービスに対するプライドとスキルを多く学ぶことができました。
 
学ぶと言えば、フランスはサービスを体系的に学ぶところが数百校に登ります。講師も現場の支配人(トップ)に上り詰めた人が多く、その方から座学でなく実践的なスキルを学べます。
そうした学生に憧れを与えているものにサービスコンクールがあります。
我々プロフェッショナル部門に挑む現場スタッフも同じですが、専門学校の代表が出場しスキルを競うコンペティションがあります。このコンクールも開催している協会がクープ・ジュルジュ・ド・バティストです。受け継ぐだけでも大変なこの協会運営を愛をもってサポートしている先輩に心から敬意を表します。
 
2003年、この協会の会長は「アラン・ビラカンパ」氏でした。もう10年以上日本のサービススキル向上に尽力をいただき年に一度の日本のコンクールにも運営サポートのために来日していました。ダイニングカルチャーで世界を繋ぐ伝道師ということです。こうした異文化交流やサービスマンシップを広め平和のために貢献できる人は私の憧れです。
 
そして会長はそのサービスマンシップを競う祭典まで築いたのです。
若手育成を目的としたものづくりのオリンピック「ワールドスキルズ ※2」という政府機関が運営する国際大会はもともとありますが、プロフェッショナル部門でこの運営を成し遂げたのです。
 
そう、その大会の最初のコンクールが「クープ・ジュルジュ・ド・バティスト杯 インターナショナル」です。私が日本代表という「日の丸」を背負い、このパリにきた理由ででもあります。
そして2003年3月31日「クープ・ジュルジュ・ド・バティスト杯 インターナショナルプロフェッショナル部門」をむかえます。
 
 
ラーメン屋からスタートしたお兄ちゃんが、ただ目の前の課題や目標を高く見持ち続けた結果、世界標準と言われるレストラン・サービスの国内大会どころか国際大会まで経験できるとは想像も出来ませんよね。どこにどんな可能性があるかは全く未知数です。
 
コンクールの内容は日本の大会と違い非常に課題が決まっていないという非常に難しいものでした。内容としては以下です。
 
・  世界中の料理メニューからのオーダーテイク(英語もしくはフランス語)
・  料理に合うビバレッジや水の種類の提案や勧め方
・  ソムリエとしてのワインのブラインドテイスティングと料理との相性
・  多種オードブルの作成(テーブルサイドサービス 多種)
・  魚料理の作成(テーブルサイドサービス 多種)
・  お肉料理の作成(テーブルサイドサービス 多種)
・  甲殻類料理の作成(テーブルサイドサービス 多種)
・  デザートの作成(テーブルサイドサービス 多種)
・  フルーツカッティング(5種を15分以内で2名盛り)
・  バーテンダーとしてのカクテルの作成
・  チーズのブラインド10種類
・  パーティーテーブルのコーディネート
・  葉巻についての口頭試問と着火実技
 
※メートル・ドテルのレベルでは手を使わず様々な料理をつくったり仕上げることができます。全ての飲食店の運営ができた上で指揮者としてチームを牽引します。


これらを全て審査員をゲストとしてサービスにあたりますので、サービス人としての基本素養は全てこの課題の中に含まれます。
 
 
現在の世界大会は学生部門と同じ課題が理由なのか、これらの難し過ぎる課題に問題があったのか判りませんが、事前に課題を伝えるようになっています。
そうした意味では史上最高の難関に挑むことができました。
私自身はヨーロッパの食材を中心に日本では見たこともない課題の練習ができたことでスキルアップに繋がり嬉しいというのん気な気持ちでいました。
 
しかしコンクール当日の朝、会場に乗りこみ審査員と顔を合せて緊張感がMAXに達します。この大会の冠であるレストランサービス界の長、タイユヴァンのヴリナ氏、MOF保持者、世界のトップレストランのディレクター………。
もともと若く見られがちなアジア人ですが、その中でも童顔の部類に入る私は何人かの審査員が子供扱いするように話しかけられたと感じることもありました。
そこで、普通では勝てないと感じた私は協議課題に入る前に決めたことがあります。
それは、ヨーロッパの基本技術をセオリーどおりにこなしても評価を受けることはできないので、クラシックな技術でなく私が感じた次世代のテクニックの披露することを決めました。
具体的には左手でサーバーを操ることや手先でなく身体全体を使う立ち振る舞いなどです。ソースのかけ方も現代のような皿盛り式と同様なデザインで勝負します。
あとは笑顔とユーモアを意識しました。
 
同じ点数レベルではアジア人は評価されない。圧倒的な優位がなければ勝てない。と何とかなく現場の雰囲気を感じていましたので勝負すべきと思いコンクール用ではない今までの現場の仕事で勝負します。
 
その最初の課題はオマールエビでした。素材が異なり殻が硬すぎて時間がかかり意気消沈しながら仕上がったお皿をサービスしました。
と、時間がかかったと思った料理を仕上げたのですが、同時に課題に挑んでいた他の選手はまだ作業中。私が最初に仕上げていたと気づきました。その時、日本人の持つ器用な所作でいつも通りスムーズに仕上げれるだけで圧倒的な差になると気づきました。弱みでなく強みで勝負するしかない!と、それからは思いきりやりました。
 
次の魚料理の作成では数人の審査員の中にフランス人の知合いがいました。日本に来てセミナーなど実技指導をしてくれた方です。応援してくれていると感じる目でした。異国の我々が自国の文化に道場破りに来ていると感じる人も現場のフランス人にはいました。そして、勝てるわけが無いとも言われました。と、私もそう思いましたけどね。笑。そんな中サービス人同士の仲間という国境を越える意識に感動しました。
 
魚と鳥は負けません!魚は私の日本人のDNAとしてのプライド、そして鶏肉はカナルディエという鴨もさばく専門家の称号をもらっているからです!
日本に来たことの無い他の審査員はまさか日本人が本国以上に器材を操り、スムーズに魚をさばく姿に驚いている様子でした。知人の審査員は私のパフォーマンスを見て嬉しそうにしていました。
 
ここからは緊張が一気に解け、課題に挑みます。途中に噂でこれはひょっとするかも!というようないらぬプレッシャーの声も聞こえるようになりましたが、目の前のゲストに楽しんでもらえるようにいつもどおりを意識しサービスを楽しみました。
結果……2003年、クープ・ジュルジュ・バティスト国際大会プロフェッショナル部門でゴールドメダルを獲得することができました。31歳の春でした。
 
この課題の中で私が最高得点を出したのはソムリエ課題、魚料理課題、甲殻類料理課題、チーズ課題、デザート課題だったように思います。
 
 
一番驚いているのは私本人であったことは間違いありません。
 
日本からもサービスの歴代チャンピオンや後輩がパリまで応援に駆けつけてくれ、勇気を与えてくれました。
日本とは連絡が取れなかったのでよく状況はよく判りませんが、フランス人の先輩が新聞を持って来て記事を見せてくれるなどして喜んでくれ、ようやく実感が湧いてきたのを覚えています。
 
お世話になった職場に結果を伝えに行ったところ、反応は色々でした。
若いスタッフは悔しがったりふてくされたりしていました。
確かに自分たちのお家芸で東洋人が勝つとは信じがたいと、私自身だって逆の立場なら思います。
 
ただ、一流のサービス人達は当然だと言ってお祝いしてくれました。
そして、クリスチャン・ダビット氏に言われた「大使となって日本でも頑張れ」の言葉が重くのしかかりました。
あまり言葉が達者でなく、とりあえず了承してしまったのですが、それからは多数のサービスのMOFやサービスの歴代優勝者、今大会の冠となったヴリナ氏やお世話になった人たちのためにもきちんと責任を果たすと誓いました。
 
現場でも初等教育においても、一流の教えを得ることができる環境は仕事や学びが楽しいものです。
この旅で、教育体制についても真剣に考える機会となりました。
学校の授業で、サービス現場の組織で勝ち上がられないような人が授業をしている日本の学校とは比較になりません。それどころか、料理学校において他業種の方が接遇の講師をしているなどと聞いたこともあり驚いています。
 
と、ボヤいていても前に進みませんので自身で切り開くために数年前からスクール事業を展開するようになりました。メートル・ドテルを資格制度と同時に
もっともっと体系的に学べる環境を整え国際社会をリードするサービス人をつくりたいと思います。まだまだ道半ば、たくさんのことを教えてもらった先輩のためにももっともっと頑張らなければいけません。


それから10年、クープジョルジュバティスト世界大会(日本大会)運営委員として後輩の育成に携わり入賞を果たしたり、ワールドスキルズ(※2)でも日本最高位の選手を育てることができました。
そして、教科書も書き10ヶ国を越える生徒が私のメソッドで授業を行うなど、少しだけ前に進むことができました。
これも周りの皆様のお陰です。

これからも前に、前に!





※2 ワールドスキルズ ;
2年に一度世界各地で行われるものづくりのオリンピック。日本においては技能五輪全国大会という代表選考会の国内予選が行われる。(この時点で優勝者には総理大臣賞や各省などから大臣賞が授与される)後に、皇居などで皇太子様などから激励をもらい若者日本代表として出場する。
レストランサービス職種の課題はが非常に多岐にわたる。審査員のレギュレーション決定に1週間、大会も4日間にわたる。
1日目:ビストロのサービスの審査(カジュアルなスピーディーなサービスができるか出迎えから退店までをゲスト役を置き実践的にサービスする)
2日目:バーのサービスの審査(バー形態の店でサービスができるか出迎えから退店までをゲスト役を置き実践的にサービスする)
3日目:ファインダイニングのサービスの審査(高級レストランでのサービスができるか出迎えから退店まで、テーブルサイドサービスを含め実践的にサービスする)
4日目:ブライダルのサービスの審査(ブライダルでのサービスができるか出迎えから退店までをゲスト役を置き含め実践的にサービスする)
他空き時間にて、アトリエ式審査(ブースに分かれテーブルセッティング、カクテル作成、ブラインドテイスティングなど審査される)
 
日本のレストランサービス職種への初出場は2005年より、各国審査員はエキスパートと呼ばれ選手の指導と大会での審査を担当する。
メートル高森が2005年〜2007年、初代を含め日本代表エキスパート兼国際審査員として経団連会長より任命される。






世界のメートル・ドテルからたくさんのメッセージをいただきました。多謝。









2017-03-24 14:09:53

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